FAS住まい新聞10月号の今回は防犯対策と防犯意識についてお伝えします。
◇住宅侵入窃盗について◇
新築住宅を建てた際やリフォームした際、近所で空き巣被害が発生した等、ご自宅の防犯を意識するタイミングは色々あると思います。
警視庁が発表している統計資料をもとに住宅侵入窃盗(空き巣、忍び込み、居空き等)の発生件数や手口等の傾向を紐解いてみました。
◇狙われる一戸建て住宅◇
警視庁による「住宅侵入窃盗の形態別認知件数」によると、令和5年に住宅で発生した侵入窃盗の件数が18,379件。そのうち一戸建て住宅での発生件数は13,490件と全体の7割以上を占めています。これはマンションやアパート等の共同住宅における発生件数4,889件と比較して2倍以上となります。
つまり一戸建て住宅は、狙われやすい傾向にあることが伺えます。
◇グラフで見る侵入窃盗◇
侵入窃盗の手口には、留守の住宅に侵入する「空き巣」。夜に住人が寝静まった時に侵入する「忍び込み」。家族が食事等で一か所に集まっている瞬間を狙って気づかれないように侵入する「居空き」の3つが主に挙げられます。
参考:警視庁「令和5年の刑法犯に関する統計資料」
円グラフでは空き巣が59.2%と割合が最も多くなっており、住人の留守中が狙われやすい傾向にあります。その他にも、家に住人がいる状態の侵入である「忍び込み」と「居空き」が合計で3割を超えており、在宅中であっても目の届きにくい部屋の窓や扉の施錠を心掛ける等の注意が必要です。
上記グラフは、空き巣の侵入経路上位3箇所における侵入経路及び手口を表したものとなっており、窓からの侵入が最多となっているのが伺えます。
次いで無施錠の玄関や窓等からの侵入が合計で2,000件を超えており、住人の隙を狙ったケースも少なくありません。
◇防犯対策と防犯意識◇
空き巣等の被害に遭わないためにも防犯対策と日頃の防犯意識が大切です。
◇防犯対策
空き巣の侵入経路は窓からが多い点を踏まえると、窓に防犯フィルムを貼り付けるだけでも効果的と言えそうです。加えて玄関ドアや窓に補助錠の設置やセンサーライト等の設置も有用です。
◇日頃の防犯意識
ゴミ出し等、短時間の外出でも施錠は確実に行う。浴室やトイレの窓の施錠を確認する。新聞やチラシを郵便受けに溜めないようにする等、ついついやってしまいがちなことでも防犯意識を持って行動することで被害を受けるリスクを減らすことが出来ます。
警視庁のホームページでは上記以外にも防犯対策、防犯意識に関する情報を掲載していますので、気になる方は是非ご覧ください。
(著・研究開発室 金重康宣)