FAS住まい新聞6月号の今回は住宅の省エネ性能を示す重要な指標の一次エネルギー消費量等級についてお伝えします。
◇「一次エネルギー消費量等級」に新しく「等級7・8」が追加へ!◇
新築住宅を計画されている方の中には、「省エネ性能」について詳しくご存じない方も多いと思います。
近年、光熱費の高騰や環境問題への関心が高まる中で、住まいのエネルギー効率はとても大切なポイントになっています。
先日、住宅の省エネ性能を表す大事な指標である「一次エネルギー消費量等級」に、新たに「等級7」と「等級8」が追加される方針が発表されました。
これから家づくりを始める方は、この新しい等級が何を意味しているのか、そして私たちの住まい選びにどんな影響をもたらすのかをしっかり理解することが大切です。
◇そもそも「一次エネルギー消費量等級」って?◇
まず、「一次エネルギー消費量等級」とは、「その家が1年間にどれだけエネルギーを使うか」を表す数字のことです。
具体的には、冷暖房や換気、照明、給湯など、私たちが毎日の生活で使うエネルギーの量を数値にして、国が決めた基準と比べます。
そして、数字が大きいほどエネルギーの使い方が上手で、省エネ性能が高い住宅と評価されます。
さらに、この数値に対して、屋根に設置した太陽光発電で作ったエネルギー分を引くことで、年間のエネルギー消費が実質ゼロになる住宅を「ZEH(ゼッチ)=ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」と言います。
今のところ、ZEHと認められるためには、断熱性能の「断熱等級5」と、一次エネルギー消費量の「等級6」を満たす必要があります。
住宅の断熱性能は、断熱材の「熱を通しにくい性質(熱伝導率が低いこと)」と、使う断熱材の厚みで決まります。
また、家の中で一番熱が出入りしやすい場所は窓などの「開口部」です。
ここには、複層ガラス(ペアガラス)や三層ガラス(トリプルガラス)、さらに熱を逃しにくい「Low-E(低放射)ガラス」など、性能の良いガラスが使われます。
◇高性能住宅を建てるメリットとは◇
①光熱費がグッとお得に!
・エネルギー効率が良いため、冷暖房や給湯費を大きく削減できます。
②快適な室内環境
・高断熱・高気密で、夏は涼しく冬は暖かい!
・部屋ごとの温度差も少なくなり、ヒートショックのリスクも軽減!
③地球環境にやさしい
・CO₂排出を減らし、未来の環境に貢献できます。
④住宅の資産価値がアップ
・省エネ基準に適合している住宅は、将来の売却や賃貸にも有利です!
◇家づくりで気をつけることは?◇
①初期コスト
高性能な断熱材や窓、高効率な設備を取り入れると、建築時の費用は一般的な住宅よりも高くなる傾向があります。
しかし、光熱費の削減によって長期的にはコスト回収が見込めるうえ、快適性や健康面でのメリットも大きいため、十分に検討する価値があります。
②設計・施工の重要性
性能の高い家をつくるためには、精度の高い設計と確かな施工技術が欠かせません。
実績のある設計事務所や工務店を選び、丁寧なコミュニケーションを重ねながら家づくりを進めることが成功のカギとなります。
③情報収集と比較検討
住宅技術は日々進化しています。住宅展示場に足を運んだり、専門家の話を聞いたりして、最新の情報を集めることが大切です。
そして、何よりもご自身のライフスタイルや将来の暮らしに合った家を選ぶことが、満足のいく住まいづくりにつながります。
将来の光熱費、健康、快適性、そして地球環境への貢献など、長期的な視点を持つとファース工法も含む、高性能住宅を検討してみてください。