【FAS住まい新聞4月号】相続登記の義務化

FAS住まい新聞4月号の今回は相続登記の義務化についてお伝えします。

相続登記の義務化
近年、増え続けている「所有者不明の土地や家」は、国土交通省の調査によると、2020年時点で国土の約20%(約410万ha)となっており、その多くは相続によるものが約67%と最多です。相続登記がされない理由としては相続登記の義務化遺産分割協議が進まない、登記費用を負担したくない、などがあります。

所有者が分からない状況では、公共事業や災害復旧が進まないだけでなく、地域の活性化にも支障が出てしまいます。

そこで、令和6年4月1日から相続登記の申請が義務化されます。相続人は、不動産を受け継いだ日から3年以内に登記を行わなければなりません。もし登記をしなかった場合、最大10万円の過料が課せられることがあります。

相続登記を忘れずに行い、土地や家を適切に管理しましょう。詳しくは法務局のホームページをご覧ください。

相続登記の簡素化
一方で、相続登記は手続きや準備が複雑で、困難な場合もあります。そのような時に便利なのが「相続人申告登記」です。

相続人申告登記とは、亡くなった方名義の不動産について、相続人が法務局に対し自分が相続人であることを申請し、登記官がその情報を記録する仕組みです。この方法を利用すれば、相続登記の義務を一時的に履行したとみなされ、罰金を避けることができます。また、相続人が単独で手間や費用を抑えて申請できる点も大きなメリットです。

ただし、この登記では実際に相続登記をしたわけではないため、不動産の売却や第三者への所有権主張ができません。あくまで暫定的な手法となり、後日、正式な相続登記が必要となります。

相続登記をしなかった場合のリスクについて
相続登記を正当な理由なく怠ると、罰金(過料)以外にもさまざまなリスクが生じる可能性があります。例えば、以下のような問題が起こります

不動産の売却ができない
・相続した不動産を担保にできない
・将来的に相続人が増え、権利関係が複雑化する
・固定資産税などの特例を受けられない

・相続登記に必要な書類が後に手に入りにくくなることがある

これらのリスクを避けるためには、早めに相続登記を行うことが重要です。相続登記は一生に何度も経験することではないため、費用がかかっても、専門家(司法書士など)に申請を依頼するのも一つの方法です。詳しくは、お近くの司法書士事務所や法務局、相続登記相談センター等にご相談することお勧め致します。